自啓館だより
令和3年 1月
No.185

今年は、新型コロナウィルスに振り回されたせいか、1年が例年よりも早く感じます。

テレビをつければ、コロナウィルスの話題が出ない日はありませんでした。 いろいろな専門家等が解説やコメントをするわけですが、彼らの発言の端々に聞きなれぬ言葉が出てきます。 例えば、「エビデンス」や「アジェンダ」。 「エビデンス」は「証拠、根拠」、「アジェンダ」は「予定、議題、課題」という意味です。 「go to キャンペーンが原因でクラスターを起こすというのは、エビデンスがはっきりしていない。それが今のアジェンダですね。」というような使い方になるのでしょうか。 わけわかりません。 この例だけではなく、言葉の端々に英語やフランス語、イタリア語、逆に「 忖度(そんたく) 」なんて日本語をこれ見よがしに使う政治家も多くいます。

テレビを見ているのは専門家ではなく一般市民が大多数なのだから、その視聴者に向けて分かりやすい発言をすることが、テレビに出演している人の務めだと思うのですが、どうもそうではないようです。 言葉は生き物ですから、その時代時代で同じ言葉でも意味が変わってくるのは分かります。 「やばい」はその一つです。 しかし、日本語で済むところをわざわざ他国の言葉に置き換えて話すというのは、特に専門用語でない限り避けるべきだと思います。 教科書にも「環境アセスメント」など日本語と英語を合わせた言葉が出てきて、その後に(環境影響評価)と日本語表示しています。 漢字はそのものが意味を持った表語文字なのでカタカナのような表音文字に比べ意味が伝わりやく分かりやすいと思うのですが。

話は変わりますが、来年度から中学校の教科書が改訂されます。 どのように変わったのか英語を例に挙げると、まず小学校で英語の学習を2年間ないし4年間行った前提で作られた教科書なので、中1の導入段階での負担が大きくなります。 また、扱う単語の量がこれまでの1,200語から1,800語に増え、さらに今まで高校で学習していた、仮定法・現在完了進行形、原形不定詞等の内容が移行されます。 要するに難しくなります。 前半でさんざん英単語をはさんでくる会話に文句を言っていきましたが、「エビデンス」も会話の中で普通に使われるようになるのでしょうか。

ちなみに、小惑星「リュウグウ」までお使いにいった探査機「はやぶさ2」は、両方とも和名で素敵です。

これから受験シーズンを迎えますが、全員合格を目指し、講師一同全力で生徒の指導に当たっていきます。来年もよろしくお願いいたします。